アップローズキャリア 尾川直子からのメッセージ

働くことの意味(2011.09.15)
小論文や志望理由書の書き方指導などで高校に行く機会が多いのですが、高校生から「働きたくない」、「楽でお金を稼げる仕事に就きたい」という声をたまに聞きます。

「社会に出て働く」ことにはどんな意味があるのでしょうか。私はその意味は一人一人違うと思っています。それぞれが違う価値観を持って、全く違う人生を生きているからです。

では、私自身がどんな意味を感じているのかというと、「チームで働くことの楽しさ」ですとか、月並みですが「人に感謝されることの嬉しさ」があるから、でしょうか。仕事というものは基本的には仲間と進めていきます。自分ひとりだけで始まり、完結する仕事はほとんどありません。

私は教員になるか、アナウンサーになるか迷った末にアナウンサーとして働くことを選び、就職活動の結果、第一希望の放送局から内定をいただきました。入社の直前にアナウンサーの部署に配属されることが決まり、それを父に告げました。教員だった父は「教壇に立つときは一人だけれど、教壇から降りたら大勢の仲間がいる。放送局も同じだと思う。カメラの前に一人で立っても、カメラの前から外れたときには仲間と一緒に働いていることを忘れてはいけない」と言ってくれました。若いときは自分の技術がなく、仲間の足を引っ張ったこともたくさんありますが、同期の仲間をはじめ、先輩、後輩、取引先の方々に恵まれ、本当に充実した会社員生活を送ることができました。

今は会社員ではありませんが、多くの皆さんにサポートをいただき、楽しく仕事ができています。「チームで働くことの楽しさ」を実感し続けているからこそ、仕事を辞めないのだと思っています。

もちろん、生活のためにはある程度のお金も必要なので、働くことで得られる収入も大事です。でも、働くにあたってはお金以外の遣り甲斐を見付けていかなくてはいけないでしょう。

就職の面接で、採用側が知りたがっているのはそこです。就職のための課題作文で「働くこととは」、「あなたにとって仕事の遣り甲斐とは」といったテーマが出題されるのはそのためです。「まだ働いてもいないのに、そんなの分からないよ」という声が聞こえてきそうですが、そういう皆さんとこそ、一緒に考えていきたいです。

働くことは楽しいことばかりではなく、辛いこともあります。でも、働くことから逃げないでほしいです。「働くことの意味」が見つからない方、どうぞご相談ください。