アップローズキャリア 尾川直子からのメッセージ

賛成なのか、反対なのか、はっきりさせる(2013.01.15)
 テーマ型小論文では与えられたテーマに対して、課題文型小論文では筆者の主張に対して、賛成か反対かという自分の立場をはっきりさせることが求められています。

 ここではテーマ型小論文に限った話にしてみます。テーマは「2011年から必修化になった、小学生の英語教育について、あなたの意見を述べなさい」にしてみましょう。ここで、いきなり原稿用紙にあなたの意見を書き始めるのではなく、構成メモを作ってみてください。

 「小学生の英語教育が必修になって、良かったこと、良くなったこと(メリット)」と「小学生の英語教育が必修になったことでの問題点(デメリット)」を箇条書きで書き出していきます。両方とも書いたうえで、改めて賛成でいくのか、反対でいくのかを決めるのです。

 高校での講演中に、生徒さんの間を見て回っていますと、この段階でつまづいている生徒さんが多い印象です。逆に、複数のメリットとデメリットを簡単にピックアップしていった生徒さんは賛成か、反対かという自分の立場が早く決まりますから、その後の構成もスムーズに進んでいるようです。

 では、どうしたら、メリットとデメリットを早く挙げていくことができるのかというと、「自分のことに引き付ける姿勢を持つこと」、「テレビのニュースを見たり、新聞を読んだりして、社会問題を知っておくこと」が大切です。このテーマであれば、小学生の弟さんや妹さんから聞いたこと、近所の子どもやいとこや親戚から聞いたことも取り入れることができます。「どこか遠いところの話」として受け止めるのではなく、「当事者性」を持って受け止め、自分の意見や考えを作っていくためのトレーニングを積んでいきましょう。