アップローズキャリア 尾川直子からのメッセージ

志望理由書には「大学でしか学べないこと」を(2013.07.10)

 大学を推薦入試やAO入試で受験しようと考えている受験生の皆さんはそろそろ志望理由書を書く時期ですね。私も色々な高校に伺い、志望理由書の書き方指導をしています。

 志望理由書を書き始める時期によく見られるミスとして、「大学で何を学びたいのかが伝わってこない」ことが挙げられます。たとえば、「英会話」や「簿記」は大学でしか学べないものではありません。「英会話」や「簿記」でしたら、大学に行かなくても、多くの塾やスクールで学ぶことができます。もちろん、大学でも「英会話」や「簿記」の講義はあります。しかし、「英会話」を学べるのは英語学や英文学、英語教育学といった分野であったり、「簿記」の講義は「会計学」に含まれます。つまり、大学でしか学べないものは「○○学」という学問なんですね。

 大学の先生方は「○○学を学ぶということが自分にとって、どういう意味を持つのかと考えている志望理由書が良い」とおっしゃっています。そこで、ある高校で「○○学と書いてください」と言ったところ、「理工学」としか書けなかった人がいました。「理工学」は学部の名前であって、学問の名前とは言えません。「機械工学」や「情報工学」など、学問の内容が伝わってくるような記述をしたうえで、なぜ、その学問を専攻したいのか、その学問を専攻することで、どんな仕事に就きたいのかなど、考えを深めていってくださいね。