アップローズキャリア 尾川直子からのメッセージ

小論文入試のために読んでおきたい本 その2(2015.09.02)

 今日は阿部彩さんの『子どもの貧困』をお勧めします。岩波新書です。既に『子どもの貧困II』も出版されていますが、今のところ、よく出題されているのは『子どもの貧困』の方なので、IIは後からでもいいでしょう。

 日本の親は子どもに対して経済的な援助を惜しまないと思われています。特に進学校に通っている生徒さんはこれまで塾などへの費用を親御さんに出してもらったりするので、そういう気持ちが強いですね。スポーツや芸術系の習い事を頑張ってきた生徒さんも同様です。でも、諸外国の親と比べて、日本の親の子どもへの支出額が大きいわけではないのです。そういったデータが次々に示されるので、とても勉強になります。

 子どもに関する仕事に就きたい人、子どもに関わる学問を専攻したい人に特にお勧めです。教育学部、社会学部、経済学部、医学部、社会福祉系、看護系、保育系を目指す人は読んでおきましょう。

 この本の凄さは資料の多さでもあります。グラフなどの資料が多く出される大学を受験したい人はグラフ慣れする必要があります。受験校の過去問をチェックして、資料型小論文が出る傾向なら、この本で資料に慣れておいてください。

 前回の記事はこちらです。

http://appcar.jp/blog/2012-11-16.php